高齢者生活施設のサービスの質を確保する認証「悠」

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施設のホンネ

入居者のホンネ

認証施設で夜間観察調査に入ったときのこと。

深夜13:30ごろ、目がほとんど見えないというAさんが目を覚まし大きな声で「枕が・・・ない・・・」と叫んでいるのが聞こえてきた。

職員は、急ぎ足でAさんの居室に入っていった。その瞬間を私がたまたま通りかかって様子をみていた。

夜勤の職員は「Aさん、左を下にしてみてください。身体を動かしますが、よかですか・・・枕はここです・・・もうちょっと上にあがりましょか・・・これでよかですか・・・」とやさしい声で話しかける。

Aさんは「うん・・・うん・・・」と答え、職員が「また、なんかあったら呼んでくださいね・・・」と言うと、「すみませんね~」と返した。

職員が居室から出てきたところで私は話しかけた。「あなたは、本当にすばらしい職員ですね」と。

 

 

 

家族のホンネ

ある家族会に呼ばれ話をした。

家族は自分がホームに来たときの現状しか知ることができない。

夜間に起きる死に対し、夜間の職員数が少ないなかで、職員がどのような気遣い配慮をしているのか、認証をしている評価者が見た話をした。

「本当にホッとした。職員の大変さも理解できた。この施設は、夜間の抜き打ち調査をするという、理念のとおり実践するホームだと思う。ここまでやるかという気持ちだ。自分もこのホームに入るつもりだ」という感想をもらった。

 

施設職員のホンネ

入居して1年経つSさんだが、睡眠が安定せず、職員はカンファレンスを続けながらみているが状態はなかなか安定しないという。

夕方に入浴してもらったり日中の過ごし方に工夫をするなど試行錯誤が続いている。睡眠は2日おきのパターン。

今日は寝ない日のようだ。車椅子に乗せ、職員のすべての行動に連れていく。不穏が激しいと車椅子から立ち上がり、すぐに転倒するリスクがある。全く目が離せない。

夜間、コールなどがないときは、夜勤者二人で穏やかに話をし、Sさんのペースに合わせて動いている。職員はずっと笑顔を絶やさない。

しかし、「ずっと緊張が続いています」と話す。

ちなみにこのホームは拘束はゼロです

 

市民のホンネ

京都市宇治市に住む高齢者夫婦が「天国に引っ越す」と言って無理心中した。約7ヶ月前のニュースに今もずっと心に痛みを感じている。
府営団地に一室で遺体で見つかった高齢者夫婦。妻の死因は首を絞められたことによる窒息死。夫は首をつった状態で発見。居室からは、「妻の介護に疲れた」「一緒に天国に引っ越します」などと書かれていたという。
日本は豊かな国なのだろうか。幸せに暮らすことができる保証は誰がどうのように、どこでしてくれるのか。あるいは、自分のことは自分でしろ!・・・とでも。長年働き税金も払ってきた老後の人生はこれでいいのだろうか。

 

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